家庭用ゲーム機 技術資料室

Console Hardware Archiveest. 2024

16bit世代(1988–1990) / SNK

ネオジオNeo Geo (AES)

業務用基板MVSと同一のハードウェアをそのまま家庭に置く。本体58,000円、ソフト3〜4万円という価格は、その代償として支払われた。

SNK ネオジオ本体とコントローラ
ネオジオ(SNK/1990年7月1日)
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

基本情報

発売日1990年7月1日
発売元SNK
型番NEO-AES
発売時価格58,000円
ソフト媒体ROMカートリッジ(最大330Mbit級)
同時発色数65,536色中 同時4,096色
出荷台数非公表(推計 100万台未満)

メーカー公表値なし。

システム構成

媒体 / MEDIA ROMカートリッジ 最大330Mbit級 1本 3〜4万円 CPU MC68000 12MHz MVS基板と同一構成 サブプロセッサ Zilog Z80 4MHz 音源制御専用 SYSTEM BUS 映像 / VIDEO SNKカスタムチップ群 320×224 / 同時4,096色 スプライト380個 メモリ / MEMORY ワークRAM 64KB VRAM 84KB サウンドRAM 2KB 音源 / SOUND YM2610 FM4ch + ADPCM 7ch + PSG 3ch 入出力 / I-O コントローラ端子×2 メモリーカードスロット 業務用と互換 FIG. Neo Geo (AES) — SYSTEM DIAGRAM

図1 ネオジオ のシステム構成。当資料室で作成。

主要諸元

CPUモトローラ MC68000 12MHz
サウンドCPUZilog Z80 4MHz
映像SNKカスタムチップ群(LSPC/PRO-B ほか)/解像度 320×224
発色数65,536色中 同時4,096色
スプライト380個(16×16ドットを縦方向に最大32枚連結可能)
背景面専用の背景面を持たず、背景もスプライトで構成
音源ヤマハ YM2610(FM 4ch+ADPCM-A 6ch+ADPCM-B 1ch+PSG 3ch)
メモリワークRAM 64KB/VRAM 84KB/サウンドRAM 2KB
媒体ROMカートリッジ(最大330Mbit級)/メモリーカード対応

移植ではなく、同一ハード

ネオジオは業務用基板「MVS(Multi Video System)」と同一のハードウェア構成を持つ。CPU、映像回路、音源、すべて同じ。異なるのはROMの供給形態(業務用は大型カートリッジ、家庭用は専用カートリッジ)と筐体だけである。

つまり移植作業が発生しない。アーケードで稼働しているゲームのデータが、そのまま家庭用カートリッジに載る。1990年当時、他機種への移植では必ず生じていた「画面が狭くなる」「キャラクターが小さくなる」「音が減る」といった劣化が、この機体には存在しなかった。

背景を持たないという設計

ネオジオには、他の家庭用機が持つような専用の背景(BG)面がない。画面に映るものはすべてスプライトである。

その代わりスプライトを380個扱える。1枚は16×16ドットだが、縦方向に最大32枚まで連結できるため、実質16×512ドットの縦長の帯として使える。この帯を横に並べれば背景になり、単独で使えば巨大キャラクターになる。

格闘ゲームで背景が細かくアニメーションし、同時に画面いっぱいのキャラクターが動くという表現は、この構成に由来する。背景とキャラクターがハードウェア上で区別されていないため、リソースを自由に配分できる。

価格という制約

本体58,000円。ソフトは1本あたり3万円台から4万円台。同年発売のスーパーファミコン(本体25,000円/ソフト8,000〜10,000円)と比べると、ソフト1本で本体2本分に近い。

この価格は、業務用と同一のROM容量を家庭用でも維持したことによる。当時のマスクROMは容量が価格に直結しており、330Mbitという規模はそのままカートリッジ単価に跳ね返った。

供給形態は当初レンタルを主とし、のちに一般販売へ移行している。1994年9月にはCD媒体の「ネオジオCD」(49,800円)が登場し、ソフト価格は7,800円前後まで下がった。ただしCDからのロード時間という別の制約が生じ、ROM版の即応性は失われた。

派生モデル・周辺機器

1994年9月
ネオジオCD(49,800円)― CD-ROM媒体版。ソフト価格を大幅に引き下げ
1995年
ネオジオCD-Z(38,000円)― 読み込み速度を改善
1998年10月
ネオジオポケット(7,800円)― 携帯機。翌年カラー化

参考にした資料

  • SNK 製品カタログ(1990–1996)
  • YM2610 アプリケーションマニュアル(ヤマハ)

画像出典

  • 「SNK ネオジオ本体とコントローラ」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:CC BY-SA 3.0

システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。

最終更新:2025-07-13