16bit世代(1988–1990) / SNK
ネオジオNeo Geo (AES)
業務用基板MVSと同一のハードウェアをそのまま家庭に置く。本体58,000円、ソフト3〜4万円という価格は、その代償として支払われた。
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
基本情報
| 発売日 | 1990年7月1日 |
|---|---|
| 発売元 | SNK |
| 型番 | NEO-AES |
| 発売時価格 | 58,000円 |
| ソフト媒体 | ROMカートリッジ(最大330Mbit級) |
| 同時発色数 | 65,536色中 同時4,096色 |
| 出荷台数 | 非公表(推計 100万台未満) |
メーカー公表値なし。
システム構成
図1 ネオジオ のシステム構成。当資料室で作成。
主要諸元
| CPU | モトローラ MC68000 12MHz |
|---|---|
| サウンドCPU | Zilog Z80 4MHz |
| 映像 | SNKカスタムチップ群(LSPC/PRO-B ほか)/解像度 320×224 |
| 発色数 | 65,536色中 同時4,096色 |
| スプライト | 380個(16×16ドットを縦方向に最大32枚連結可能) |
| 背景面 | 専用の背景面を持たず、背景もスプライトで構成 |
| 音源 | ヤマハ YM2610(FM 4ch+ADPCM-A 6ch+ADPCM-B 1ch+PSG 3ch) |
| メモリ | ワークRAM 64KB/VRAM 84KB/サウンドRAM 2KB |
| 媒体 | ROMカートリッジ(最大330Mbit級)/メモリーカード対応 |
移植ではなく、同一ハード
ネオジオは業務用基板「MVS(Multi Video System)」と同一のハードウェア構成を持つ。CPU、映像回路、音源、すべて同じ。異なるのはROMの供給形態(業務用は大型カートリッジ、家庭用は専用カートリッジ)と筐体だけである。
つまり移植作業が発生しない。アーケードで稼働しているゲームのデータが、そのまま家庭用カートリッジに載る。1990年当時、他機種への移植では必ず生じていた「画面が狭くなる」「キャラクターが小さくなる」「音が減る」といった劣化が、この機体には存在しなかった。
背景を持たないという設計
ネオジオには、他の家庭用機が持つような専用の背景(BG)面がない。画面に映るものはすべてスプライトである。
その代わりスプライトを380個扱える。1枚は16×16ドットだが、縦方向に最大32枚まで連結できるため、実質16×512ドットの縦長の帯として使える。この帯を横に並べれば背景になり、単独で使えば巨大キャラクターになる。
格闘ゲームで背景が細かくアニメーションし、同時に画面いっぱいのキャラクターが動くという表現は、この構成に由来する。背景とキャラクターがハードウェア上で区別されていないため、リソースを自由に配分できる。
価格という制約
本体58,000円。ソフトは1本あたり3万円台から4万円台。同年発売のスーパーファミコン(本体25,000円/ソフト8,000〜10,000円)と比べると、ソフト1本で本体2本分に近い。
この価格は、業務用と同一のROM容量を家庭用でも維持したことによる。当時のマスクROMは容量が価格に直結しており、330Mbitという規模はそのままカートリッジ単価に跳ね返った。
供給形態は当初レンタルを主とし、のちに一般販売へ移行している。1994年9月にはCD媒体の「ネオジオCD」(49,800円)が登場し、ソフト価格は7,800円前後まで下がった。ただしCDからのロード時間という別の制約が生じ、ROM版の即応性は失われた。
派生モデル・周辺機器
- 1994年9月
- ネオジオCD(49,800円)― CD-ROM媒体版。ソフト価格を大幅に引き下げ
- 1995年
- ネオジオCD-Z(38,000円)― 読み込み速度を改善
- 1998年10月
- ネオジオポケット(7,800円)― 携帯機。翌年カラー化
参考にした資料
- SNK 製品カタログ(1990–1996)
- YM2610 アプリケーションマニュアル(ヤマハ)
画像出典
- 「SNK ネオジオ本体とコントローラ」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:CC BY-SA 3.0
システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。
最終更新:2025-07-13