家庭用ゲーム機 技術資料室

Console Hardware Archiveest. 2024

8bit世代(1983–1987) / セガ・エンタープライゼス

セガ・マークIIISega Mark III

VDPを汎用品から内製カスタムに置き換え、別売ユニットで音源そのものを差し替える。純正拡張で音が丸ごと変わる家庭用機は当時ほかにない。

セガ・マークIII 本体
セガ・マークIII(セガ・エンタープライゼス/1985年10月20日)
撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / パブリックドメイン

基本情報

発売日1985年10月20日
発売元セガ・エンタープライゼス
型番SG-1000M3
発売時価格15,000円
ソフト媒体マイカード/ROMカートリッジ
同時発色数64色中 同時32色
出荷台数非公表(マスターシステムを含め全世界 1,000万台超とする資料あり)

国内・全世界とも公表値なし。

システム構成

媒体 / MEDIA マイカード ROMカートリッジ SG-1000ソフト互換 CPU Zilog Z80A 3.579545MHz SYSTEM BUS 映像 / VIDEO セガカスタム 315-5124 256×192 / 64色中32色 スプライト64個(水平8個) メモリ / MEMORY ワークRAM 8KB VRAM 16KB 音源 / SOUND SN76489(内蔵) +YM2413 FM音源 ※FMユニットは別売 入出力 / I-O コントローラ×2 拡張端子(FMユニット) 3-Dグラス対応 FIG. Sega Mark III — SYSTEM DIAGRAM

図1 セガ・マークIII のシステム構成。当資料室で作成。

主要諸元

CPUZilog Z80A 3.579545MHz
映像セガカスタムVDP(315-5124)/解像度 256×192
発色数64色中 同時32色
スプライト64個/水平方向 8個まで
音源TI SN76489(矩形波×3、ノイズ×1)/別売FMサウンドユニット(YM2413)対応
メモリワークRAM 8KB/VRAM 16KB
媒体マイカード(1Mbit級)/ROMカートリッジ(最大4Mbit級)
互換SG-1000/SG-1000II 用ソフトの動作に対応

VDPの内製化

SG-1000系の3代目。最大の変更点は映像処理を担うVDPを、汎用のTMS9918Aからセガ内製の315-5124へ置き換えたことである。

同時発色数は16色から32色へ、スプライトは水平4個から8個へ拡張された。TMS9918A時代に画面上の制約として現れていた点が、ここでほぼ解消されている。ワークRAMも1KBから8KBへ8倍に増えた。

ハードウェアの素性としてはファミコンと同等以上の水準に達したが、発売は1985年10月。国内市場ではファミコンがすでにソフトラインナップで大きく先行しており、性能差が普及に直結する局面ではなくなっていた。

音源を後から差し替える

1987年、別売の「FMサウンドユニット」(6,800円)を発売。本体背面の拡張端子に接続すると、ヤマハYM2413(OPLL)によるFM音源が使えるようになる。

対応ソフトは起動時にユニットの有無を判定し、あればFM音源側で、なければ内蔵のSN76489で鳴らす。同じソフトで曲がまるごと差し替わるという体験は、当時の家庭用機ではほぼこの機体に限られる。

海外版のマスターシステムでは、この拡張は採用されなかった。日本国内向けの機能として残っている。

海外での長寿

1986年、筐体を刷新した「マスターシステム」として北米・欧州で展開。日本国内でも1987年に同名の機体がFMサウンドユニットとラピッドファイア(連射機能)を内蔵した形で発売された。

欧州とブラジルでは、この系列が1990年代を通じて現役であり続けた。特にブラジルではTectoy社によるライセンス生産が2010年代まで続き、地域限定の新作ソフトも供給されている。日本国内での評価と海外での寿命が最も乖離した機体といえる。

派生モデル・周辺機器

1987年10月
マスターシステム(16,800円)― FMサウンドユニットと連射機能を内蔵
1987年
FMサウンドユニット(6,800円)/3-Dグラス(6,000円)

参考にした資料

  • セガ ハードウェア年表
  • YM2413(OPLL)アプリケーションマニュアル(ヤマハ)

画像出典

  • 「セガ・マークIII 本体」 撮影:Evan-Amos / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:パブリックドメイン

システム構成図および各種グラフは当資料室で作成したものです。

最終更新:2024-09-01